依頼 過走行車両の整備

その病める男は運転しながら考えていた。
昨晩、今はラジエーターいくらぐらいするのかな。軽くネット検索してみた。

え、こんな値段なんだ・・1～2諭吉程度か。社外品ではあるが新品でお手頃価格で入手しやすくなったものだ。　
若い頃は、何でも自分でやろうとしたが、もうバイタリティーはなく、依頼して整備いただけるのら、まかせる方がよいという考えにかわってきた。

今回は、ディーラー整備へ依頼する。純正部品価格だと倍ぐらいかな・・工賃を入れても、まあ、勤務先の福利厚生特典であるマイカー補助を使えばカバーできるなと考えていた。
ほどなくして、ディーラーへ到着。古都、市内で国道に面した本社整備工場である。

病太郎「こんちは、急な連絡ですみません。」

販社担当（ずん飯尾さん風）以下、担当の方
「お待ちしておりました。冷却水漏れがありそうとか、どんな感じでしょうか？」

病太郎「30万km超えているので、致し方ないと思います。ラジエーターのアッパータンクの継ぎ目が怪しそうで、一通りチェックお願いします。そこが原因なら、交換をお願いするつもりです。ホース類も含めて。」

　担当の方「なるほど、そこが漏れてそうですね。ピットの方で確認します。しばらく、店内でおまちください。お飲みものもどうぞ。なかでお申し付けください。」

病太郎「ありがとう、よろしくお願いします。」
・・・・しばらくして　・・・

担当の方「病太郎さん　お待たせしました。

点検した結果、やはり、継ぎ目から漏れがあるようです。交換整備になると考えます。」

病太郎「そうですか、それでは整備を依頼したいと思います。ラジエーター、ホース類、ATクーラーのホースも、サーモスタットも一切合切いきましょう。」

担当の方「お見積もりも準備してきました。ラジエーターはリビルト品もあるのですが、新品との価格が数漱石しか変わらないので、新品ででいかがでしょうか。」

病太郎「そうなんですね。新品でいきましょう。」

担当の方「お見積もりはこちらのようになります。」

病太郎は、想定を確かめる感じで、見積もりの総額欄をたどった・・・

（どれどれ、大丈夫ですよ）

「フムフム」　（な・・　え？　な・・・

そこにいたのは諭吉のサッカーチームであった。いやいやバレーチームのはずだが・・・なぜだ、）

各部品、工賃の明細を確認すると、ラジエーター純正部品が想定の三倍の額となっている。ホース類も単価と数でボディブロー的な感じである。

「なるほと、こんな感じですね。」ヒクヒク。

病太郎は動揺をさとられないように、

「ラジエーターけっこうな額なんですね～　あ～そうですか」

「いいでしょう。これでお願いします。」

といった矢先から・・病太郎の内心は、

軽自動車で30万km超え、さらに乗り続けようとしている。本当にそれは価値あることなのか・・、いや俺は確かめたい、技術的に走れると思うのなら、どこまで走れるのか・・・・

つづく

今日のテーマ曲