June 01, 2003

10 Firing そして再び

去年の今頃,ジープ同志のN氏に手伝ってもらいながら分解をはじめ,酷い損傷状態にうなだれていた。

そして今日,再び N氏と,JH4を最後の組み立てに入った.早くエンジンを始動したいという思いがあり,デジカメで撮る余裕がなく,画像がありません.作業は シリンダヘッドの取り付け,ディストリビュータ,オイルフィルター,ジェネレータ,ラジエータ,キャブレータ,フロントパイプ,エアクリナーなど淡々と組みつけていく.日が暮れるころにやったと始動体勢となった.バッテリをつなぎ,冷却水をいれて・・・・ 抜けているところはないか,最終チェック. そして,キーを捻る.

キュルキュル ドホン ボコボコボコ ・・・ 回った.ぎこちない感じがあるが,回り始めた.あっけない.何かこう感動があるかと期待していたが,単にエンジンが動いている.ただ,それだけ.一息いれて N氏に感謝.「ありがとう.」なんとか動いたなあ.しばらく運転しているとサーモスタットハウジングからの冷却水漏れ.ガスケットを新品にせず継続使用にしていたところである.ガスケットを取り替えて対処.自走できる状態となった.すっかり暗くなっていたが,N氏が試走も付き合ってくれた.アクセル全開には心持できないが,その日はJ3で帰った. ほぼ1年ぶりに甦ったハリケーンサウンドで帰宅.

次の日,会社を定時にあがって,嵐山,嵯峨野方面に試走にいった.うぉぉこれがハリケーンエンジンか・・やっぱりいいもんだとあらためて感じながら,帰宅.夜,いろいろ見ていると,ラジエータのコアから漏れを発見.結構よれよれになっていた部分,複数箇所から冷却水が漏れている.あちゃ~ やっぱりコア替えが必要だったのか.こいつを使うのはあきらめよう.CJ3B用のラジエータをストックしてあることを思い出した.J3Rのラジエータはコルゲートフィンタイプであるが,CJ3B用は水管式タイプである.外観は似ているが,コア部のフィンの付き方がCJ3B用の方がしっかりしている.漏れがないことを確認して取り付けた.
左側:CJ3B用 昭和35年製(1960年)

時間をかけたわりにはそんな丁寧な作業でもなく,純正さもない.部品をそろえたり,整えたりするので時間はかかるが,エンジン分解,組み立ては 1~2日程度であろう。
今回ばらしてハード的なパーツに触れてみて、昔は技術的に誠実だったと感じた。
それはジープが製品として、特殊な時代背景にあったことによると思う。

現代は、事業性だの、投資効果だの、目先の数字優先。それはそれで大事ではある。モノは煩悩を満たす単なる当て物。
本当に必要なモノ、本当に役に立つモノ、足元の前提として大事なことが軽視されているような。まあ、ゆくゆく困った人が、困ればよい。
自然の摂理。とはいうものの、車自体、煩悩の塊ともいえる。

このジープは定かではないが、100年後もどかでジープは走っているような気がする。

リビルド後のJH4 と その5年後です.

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