June 01, 2020

修理 エンジン始動不良


先々週の日曜日のこと。ガレージでJ3Rを始動してみると、「カチッ」音のみ・・・始動せず。スターターが回らない。4,5回ほど「カチッ」をくりかえすと、「ボロン」とエンジンがかかった。バッテリーがよわってるな。

オプティマ ブルートップも18年目。稼働率が少なかったといえ、ここまで使っているのは無理がある。最後のあがき、充電してみて新調するかどうか決めようということにした。

で先週は、バッテリーを家に持ち帰り、2Aで50Ahほど充電。その週末、充電したバッテリで、始動してみると・・・・ 全く変わらず 「カチッ」のみ。 このバッテリは死んでいるのか。 それでは、オプティマ 2号で追い込んで、バッテリ2個でやってみると、これまた 「カチッ」のみ。

はは~ん。これはバッテリが原因ではないな。 スターターに問題が発生しているようだ。マグネットスイッチか・・・ モーターのブラシ摩耗か・・・・ スターターを分解すれば、すぐわかるであろうと作業にかかった。



スターターの取り外し
工具:ソケット、メガネレンチ19mm、端子部 12mmレンチ。 
ボルト2カ所。工具が入りにくいので、室内側のフロアーカバーを外したほうが作業しやすそう。 

心が折れそう その1
フロアカバーのボルト一本が ボディー下裏側の四角ナットが噛みこみ、ナットをとめている板金部が腐食とはがれでバカになり、供回り発生。これではフロアーカバーを外せない。

▲下側が運転席側 上部ミッション部である。

心が折れそう その2
角ナット部をなんとか回り止めしたいが、ボディ裏側は、ミッション部であり、下回りからアクセスできない。となると、室内フロアのボルトの近くにある。PTO(パワーテイクオフ)操作レバー取りだし用の蓋を開ければ・・・。 蓋はビス4本で止まっているが、そのうち2本がタンクのやや下にあるため、燃料タンクをはずさないと工具がはいらない。このために、燃料タンクをはずす。

燃料を抜き、外してみると ゴミと錆が・・・・・ 燃料タンクは10年以上前に漏れ発生のため、ボン金修理、ボンドをつかった怪しい板金修理。前回漏れたところは、なんとか持っているようだが、エポキシ樹脂は一部剥がれがあり、やり直すことに・・・・。錆取りと部分塗装。

心が折れそう その3
燃料タンクの処置、塗装をした後、スターター取り外しの続き、フロアカバーを外すために、供回りしているボルトをなんとかするために、PTO操作レバー取り出し口の蓋を外してみると、びっちり、とトランスファーとオーバードライブユニットがいるではないか!!!
工具を入れる余地がない。ガーン!

結局、供回りしているボルトの頭を手のこでカット。フロアーカバーを外すことで、角ナットへアクセス。取り外して、噛みこんでいた、ボルトの残骸を外し、タップたて。四角ナットはフロア下へ戻し、供回りしないよう、裏側のブラケットに再固定。


ようやく、スターターを摘出。
(約3時間経過)

スターターのマグネットスイッチ部の蓋をあけてみると・・・・ スターター電流をながす、電極接触部が荒れている。と同時に、なんだこの板金部品は?! 
割れたような半分のような・・・・ 
片割れはどこ?・・・ 
二つ折り状に重なっていたようである。 

この部品はソレノイドの可動側、マグネットコイルで吸引されるプランジャーに固定される円盤状の銅プレートを保持する板バネであることがわかった。(下の断面で赤い線のところ

板バネが折れたことで、銅円盤がブラブラ状態となり、モーターへ電流をおくる
電極と接触不良を起こしていたようである。 これがマグネットスイッチの動作「カチッ」音がしっかりしていたが、モーターが回らなかった原因のようである。

心が折れそう その4(とどめを刺すほどの)
板バネをどうするか、思案が必要であるが、分解作業で、銅プレートと板バネがとめてあった、かしめナットを外そうといろいろやっているうちに、ポリんと折れてしまった!!!
あ”~!!! これはやばい!!!  なぜ銅でねじにしているのだ! 
三菱電機のばか~ 俺はもっとバカ~ 電気がこないところなのに!!!  

この直径5mmもない先端部の銅製のねじを折ってしまった。 
もうバンザイするか? 中古部品を探したほうが楽かも、あきらめ感につつまれる。

先端部を凝視して、雌ねじを作れるスペースがあるな・・・・、ビスでとめれば・・・・と、悪あがきの発想。 細い銅製のねじでとまっていたのだから、スチールのビスを使えばもつはずだ。(思い込む)


プランジャーの先端のねじにナットでとまっていた。簡単に折れた。折れた先端の端面に、ネジを切る。下穴2.6mm、M3×0.5 深さ10mm

▲板バネの替わり、台形コイルスバネへ変更。
銅プレートの元の緩衝隙間を同程度確保できるよう、スプリングを調整。
ビスはステンレス製、皿頭で接触面積を確保、緩み止めとして、エポキシ樹脂をネジ部と座面に塗布して締結。

▲接触する銅電極を磨いた。

心が折れそう その5
プラス端子 電源上流側 M8×1.25 のボルトとナットが溶着して、ナットがはずれない。ナットを手ノコで削り落とすことで、端子を外せた。接触面を磨いた。ボルトのねじ部はダイスで整形。
▲マグネットスイッチ組み付け

燃料タンク給油口のゴムグロメット、このJ3Rを始めたときに、新品に交換していたが23年経過し、ゴムはひび割れ、ボロボロになっていた。ストック品に交換。新品はおそらく出ないだろう、革で作ってもいいかもしれない。

Grommet Fuel Tank Inlet MJM00059

燃料タンクを組み付け、燃料注入。燃料配管接続部とドレンボルトに漏れがないことを確認


スターターを再び組付け、フロアーカバー取り付け、作業完了。

スターター単体で動作確認したので、エンジンはかかるはずのもと始動テスト。無事にエンジンがかかり、バッテリーは弱っている様子もなく、使えそうである。
(ほんまかいな、怪しいなあ バッテリーいつまでもつねん こわい)

▲始動の様子

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