右のアクスルハウジング側のフランジ周り.J3Rは当方が乗り出してから,リーフスプリングはJ54A用に新調.リーフ,UボルトやらはOD塗装したが,アクスルは特になにもしなかった.昔の整備時にほどこされたシャシブラックの重ね塗りは分厚いがはっきりいって弱い,サクサク塗膜をはがしてジンク塗装をした.
さび落としや塗装下地の作業が毎回バラバラ,怪しい内容もある.作業効率や備品購入などで無駄が多いような気がして,自分なりのやり方を整理した.
1. 油汚れ洗浄
家庭用食器洗い洗剤を使用.普段も作業後の手洗いなどで愛用しているが,グリス汚れも容易に落としてくれる.環境,性能,コストの面で優秀な洗浄剤だと思う.
2. 塗膜剥離,錆び落とし
(1)物理作用 手ノコスクレイパー
効果的な方法として サンドブラスト,ハンドグラインダー,剥離剤などが一般的であるが,作業場所,設備がない.ハンドスクレイパー作業となるが,鉄工用ノコ刃のきれっぱしを利用している.ノコ刃は鉄鋼を切るのだから硬さはもうしぶなく,エッジの効きが市販のスクレーパーよりも格段によい.エッジが鈍れが適度に折ればまた新しいエッジで復活する. グリス汚れ,塗膜,錆び,金属下地までガシガシいける.但し,手仕事なので時間がかかる.
(2)物理作用 砂ジョリ
スクレイパーでは曲面や鋳肌などの塗膜や錆びが落としにくいので,スクレイパーで粗方とったあと,タッパーに砂と水を混ぜ,それを布に取って擦り洗いする.ゆっくりと布で砂を押し付けながらジョリジョリする.但し,これも時間がかかる.
(3)化学作用 重曹ペースト
炭酸水素ナトリウム粉末を水で溶いてペースト状にして使う.塗膜の軟化,油分,錆粉の分散,粒子の研磨作用,酸洗いの中和,弱アルカリ作用で水洗い後の短期間の発生防止ができる.何かと低コストで便利な材料である.
朱色の防錆塗膜は重曹ペーストを塗布して,乾燥しない程度に放置しておくと,軟化溶解してくれた.ドラム表面の鋳肌でしつこく残るところには,やむをえず剥離剤を利用した.
(4)化学作用 酸洗い
上記の作業後で残っている錆びに対してはサンポールを用いる.重曹で表面をアルカリ側にしておくことで,サンポールをかけると勢い良く反応して炭酸ガス気泡をともない,錆びを落としには効いてるようだ.サンポール後に重曹水で中和しておくことで錆びは発生しなかった.
3. 下地処理
研粒付メッシュで荒こすりしたあと,重曹を水でペースト状として布でこする.重曹が弱アルカリ化するので,水洗浄後の発錆を防止してくれる.また,細かい錆粉を分散させ,除去しやすいようである.重曹粉末も細かく残りやすいので,塗装の前に家庭用洗剤で水洗いし,乾燥させた後に塗装する.
スクレイパー→砂ジョリ→ワイヤーブラシ→サンポール→中和.下地準備後のブレーキドラムとバックプレート.ブレーキドラムの鋳肌面の塗膜がしつこかった.
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