November 27, 2006

小さい部品の破損でエンジン不動

あっけなくJ3R不動となる事例。
そろそろ寒くなるのでガレージにしまってあるハロゲンヒータを取りにいった。ついでにJ3の下回りにもぐり,ごそごそとオイル漏れ等ないか点検。
しばし眺めていると オイルパンの接触面のすこし上部でブロックに接続しているオイルフィルターへ圧送するオイルホースの90°エルボフィッティング付近にもオイルが付着していることに気づく。ん?なんでこんなところにオイルが・・・。

エンジン左側前 下から見た画像
中央にある黄銅製のフィッティング
(交換後)

ホース側のフレアナットが緩んでるのかなと 1/2インチスパナで締めてみた。あっさり動いた。なんでこんなところ緩むのかな不自然さがあったがさらに締めるとオイル滴りだした。 はあ? 理解できずさらに締めると,トルク感がなく,オイルがツーと漏れだした。手首と腕にかけてオイルが滴る。おもわず「なんじゃこりゃ~!!!」

ほどなく状況を観察すると事態がわかった。 黄銅製の90°エルボフィッティングがホース側フレアナットねじ部で破断していたのだ。締めすぎと繰り返しが原因であろう。              

割れた破面をめると疲労破壊のシマシマ状を呈し,肉薄部分ブロック内オイルポンプの高圧がくるところなので、走行中に亀裂が開いていたら、だだ漏れとなる。

問題はこの部品が純正で入らないことだ。4年前エンジンリビルド時に問合。製造中止。

ねじ仕様
ブロック取り付け側 1/8 NPTF
(アメリカテーパねじ規格ドライシールタイプ)
フレアパイプ接続部 7/16-24。
適当に合いそうなエルボを発見したのでこれを細工して使用。
素材があれば製作できるので、寸法図作成。   
 

何とか流用部品を手加工して取り付けができる状態のものを準備できた。

左はリビルド時の分解のときにつぶしてしまったエルボ。流用部品のテーパねじ部分が不要に長いため,そのままエンジンにつけると振動負荷に対して強度的に心配なため,短くした。
内径も小さかったのでオリジナルに近づけるため,ドリルで拡張。

テーパダイスでねじ切り。
NTPFダイスないのでNTP1/8を使用。
(怪しい輸入工具) 
日本ではテーパねじ RやPT表記
 1/16テーパ ねじ山角55° ねじ山数28/inch。 
NTP(アメリカ管用テーパねじ)
1/16テーパ同ねじ山角60° ねじ山数27/incn
と微妙に異なる。

外形幅はねじ込みのとき14スパナが使えるようにした。オリジナルの内部の穴外形寸法をおさえるためか,テーパねじ側の穴が斜めに通っていることがわかった。無駄だな。単に直交する穴とした。

このエルボはオイルホース以外にキャブレータ、燃料ポンプでも使用。オリジナルはめねじ側の肉厚がとても薄いので、今回のオイルホース部同様、注意。

さらに、このInverted Flared Fitting の特長を知ることで昨日、オリジナル形状が無駄だの、補強の考えがあさはかであると感じた。
通常のFlared タイプはフィッティング側雄ねじだ。(アールズとか) Inverted(逆の)ということでフィッティング側がめねじになる。

特長はねじを痛めにくい(今回思いっきりいたんだが)、コンパクト化 軽量となり振動強度に優れるという。確かに機械部品カタログのエルボは大きく,振動環境では弱いかもしれない。自動車エンジンではスペースが限られるし振動にさらされるため Inverted Flaredが最適とうなづける。

MB/GPWのゴーデビルから採用されており,その辺のことも考慮されて採用されたのだろうか。弱いから補強という、当方の考えは短絡的であさはかだ。
歴史もあり,今だ現役として供給。
この部品が好きになった。(変態)

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