June 25, 2010

Water based Paint Test 水性塗料の硬さ試験

自動車用の水性塗料はメーカーや塗装業者でも,環境規制対応のために徐々に採用されているらしい.水性塗料は溶剤系にくらべて乾燥時間がいくぶんかかるが,塗料の密着性,付着率,調色などの点でメリットもあるそうだ.


といっても当方がJ3Rに使ってみたのは そんな高級高性能の水性塗料ではなく,ホームセンターで調達したものである,アクリル樹脂系でつや消しの黒,黄,赤でOD色的なものに調合.数年前にも水性塗料をトライしたのだが,そのときの製品は数日たつとパリパリ剥がれ使えなかった.今回のものはそのときよりいくぶん強いかな.どれほどのものか硬さ試験してみた.


塗膜の硬さ評価として JIS K5600-5-4 塗膜の機械的性質-第4節:引っかき硬度(鉛筆法)がある.種々の硬さの鉛筆の芯を塗膜に45°方向で押し付けて,剥がれの有無を確認する方法である.簡易的な手法であるが塗膜の物性との相関もあるらしい.

一般的な焼付け塗装では2H以上,昔の普通車,軽自動車ではF以上 高級車で3H~だったらしい.最近の車はほとんど 3H~を保持しているとか.用意したのは 硬いモン順で3H,2H,H,F である.鉛筆の削り方がへたくそである.
結果,画像の傷は下左の画像から 左から3H,2H,H,F である.下右の画像は消しゴムで黒鉛を除去したものである.3Hでは削れてしまい,かろうじて 2Hかというところである.それも若干傷がつくので H~2H程度の実力か.今回は一回塗りですましいるため,内部で硬化不良があるかもしれないので,次回は希釈して3回塗りぐらいでどのように変化するか試して見たいところである. ちなみに前回塗っているOD色は 2Hは確実キープしているレベルであった.3Hでは剥がれた.


また,ハブキャップの塗装にてスクレイパーで剥ぐってどんな具合か見た.塗膜はある程度粘りがあり,パリパリ剥がれるようなことはなかった.鉄ハンマーでの打撃に対しても剥がれはなかったので,上出来かな.右画像のでは鉛筆硬さ試験の剥がれ跡であります.




見落とし
バックプレートとベアリングリテーナーが別体であることは知っていたのだが,硬めのシール剤で引っ付いているようだったので,そのままで塗装していた.隙間があることを発見したので剥がして見ると,酷い状態だった.危うく内部はこんな状態のまま,きれいになったと思い込んで組むところであった.すぐさま錆びやシール剤を剥がして塗装しなおした. 






June 21, 2010

Super Cool  GPW Restoration



GPWのレストア過程が短時間で,とてもうまくまとめられている.各工程はこんなすんなりいかないとは思うが,見ていてあこがれでため息ばかりである.


エンジンスタートの間合いにそれまでの思いが感じられ.服装がジーンズとスニーカーであるが,オリジナルに近いジープとのコントラスト,それはジープが時を超えて存在し,これからも走り続けるような感じがしてよかった.



June 20, 2010

J3R REAR HUB GREASE LEAK  リヤハブグリス漏れ(3)

塗装
まず,ジンクリッチスプレーを塗装.上塗りはこの間調整した水性OD色.耐久性はあまり期待できないが試しである.水性のため,準備がとても楽である.匂いも気にしなくていいし.つや消しのOD色ってやっぱりいい.なんか落ち着くわ~.



バックプレートとドラム.ドラムには磨耗粉等を排出するスリットがある.
ブレーキシリンダとグリスカバーは漏れ等を発見しやすいようにグレー色のままとした.

June 18, 2010

J3R REAR HUB GREASE LEAK  リヤハブグリス漏れ(2)

各部品の塗膜剥離とさび落とし
右のアクスルハウジング側のフランジ周り.J3Rは当方が乗り出してから,リーフスプリングはJ54A用に新調.リーフ,UボルトやらはOD塗装したが,アクスルは特になにもしなかった.昔の整備時にほどこされたシャシブラックの重ね塗りは分厚いがはっきりいって弱い,サクサク塗膜をはがしてジンク塗装をした.



さび落としや塗装下地の作業が毎回バラバラ,怪しい内容もある.作業効率や備品購入などで無駄が多いような気がして,自分なりのやり方を整理した.


1. 油汚れ洗浄 
家庭用食器洗い洗剤を使用.普段も作業後の手洗いなどで愛用しているが,グリス汚れも容易に落としてくれる.環境,性能,コストの面で優秀な洗浄剤だと思う.


2. 塗膜剥離,錆び落とし
(1)物理作用 手ノコスクレイパー
効果的な方法として サンドブラスト,ハンドグラインダー,剥離剤などが一般的であるが,作業場所,設備がない.ハンドスクレイパー作業となるが,鉄工用ノコ刃のきれっぱしを利用している.ノコ刃は鉄鋼を切るのだから硬さはもうしぶなく,エッジの効きが市販のスクレーパーよりも格段によい.エッジが鈍れが適度に折ればまた新しいエッジで復活する. グリス汚れ,塗膜,錆び,金属下地までガシガシいける.但し,手仕事なので時間がかかる.


(2)物理作用 砂ジョリ
スクレイパーでは曲面や鋳肌などの塗膜や錆びが落としにくいので,スクレイパーで粗方とったあと,タッパーに砂と水を混ぜ,それを布に取って擦り洗いする.ゆっくりと布で砂を押し付けながらジョリジョリする.但し,これも時間がかかる.


(3)化学作用 重曹ペースト
炭酸水素ナトリウム粉末を水で溶いてペースト状にして使う.塗膜の軟化,油分,錆粉の分散,粒子の研磨作用,酸洗いの中和,弱アルカリ作用で水洗い後の短期間の発生防止ができる.何かと低コストで便利な材料である.
朱色の防錆塗膜は重曹ペーストを塗布して,乾燥しない程度に放置しておくと,軟化溶解してくれた.ドラム表面の鋳肌でしつこく残るところには,やむをえず剥離剤を利用した.


(4)化学作用 酸洗い
上記の作業後で残っている錆びに対してはサンポールを用いる.重曹で表面をアルカリ側にしておくことで,サンポールをかけると勢い良く反応して炭酸ガス気泡をともない,錆びを落としには効いてるようだ.サンポール後に重曹水で中和しておくことで錆びは発生しなかった.


3. 下地処理
研粒付メッシュで荒こすりしたあと,重曹を水でペースト状として布でこする.重曹が弱アルカリ化するので,水洗浄後の発錆を防止してくれる.また,細かい錆粉を分散させ,除去しやすいようである.重曹粉末も細かく残りやすいので,塗装の前に家庭用洗剤で水洗いし,乾燥させた後に塗装する.

ハブフランジ,グリースカバー,ハブキャップ,ブレーキチューブクリップ,ハブフランジボルト.塗装の下でもところどころ錆びが発生していた.
 スクレイパー→砂ジョリ→ワイヤーブラシ→サンポール→中和.下地準備後のブレーキドラムとバックプレート.ブレーキドラムの鋳肌面の塗膜がしつこかった.

June 11, 2010

J3R REAR HUB GREASE LEAK  リヤハブグリス漏れ(1)

J3Rのリヤハブは半浮動セミフローティング式である.以前からリヤハブベアリングにグリスを注入するとドラム内に漏れていた.グリスアップするときはリヤハブからグリスがはみ出ないようにウエスをハブ周りに巻いて注入していた.グリス漏れの修理とリヤハブ周りの清掃を始めた.まずは右から.

漏れている箇所は下図のところで,ハブ内側のグリスカバーと共締めされているリテーナーシールがどうも痛んでいるのあろう.グリスがもれると最悪ブレーキシューに付着して,片効きなどの異常が発生する. ハブキャップをはずして,1-7/16"ソケットでロックナットをはずす.これはあっさり緩んだ.
第一関門はハブフランジの分解である.テーパー勘合になっており接触面積が大きいため ,強固に嵌合している,秘蔵のジグを使う.ホィールナットで固定して,中央のボルトを締めこんでシャフトをハブから押しぬく荷重をかける.十分荷重がくわったところでジグの側面をハンマーで軽く衝撃を与えるとバコッととれた.
ちなみに ハブの引き抜きはいろいろ → Google Image >>> "hub puller"

 グリスカバー類をはずし,リヤホイールベアリングが現れた.ベアリングはKOYO社 25821
ドライブシャフト抜き,スライディングハンマーを使った.ローラーベアリングは痛んでおらず,良好な状態でこのまま継続使用することにした.ハウジング内のグリスをふき取り,内部の老いるシールが姿をあらわした.デフ側へのグリスの漏れはないようであった.
グリス漏れの原因はやはり リテーナーシールであり,その半分ほどが消失してしまっていた.
シール交換の前に,外観がぐじゃぐじゃなドラム,バックプレート,ブレーキ類をきれいにしおくことにする.まずはバックプレートの塗装剥離.手力で1時間ほどかかってしまった.まだ外側表面は塗装がのこっている.今日は,ここまで.

June 07, 2010

車検 2010 J3R ,J25の漏れ、破損修理

J3Rの車検完了
ガソリンスタンド併設の休日車検.ここ数年ずーとお世話になっているが,居心地がよい.(特に「こやつ」が1年でやめたようで,いつもの方といつものペースで ) 整備エリアがオープンであり,作業風景および分解点検結果を現物を前にいろいろときける.費用はユーザー車検と比較して,いろいろ手数料に名称がついているが 要は 約2万円かかる. 検査結果を数値表がでること,第三者からみてもらえること,1~2時間で車検が完了すること.何かあればある程度その場で対応できること.この辺がメリットかな.今回は光軸等々もすべて 調整するところはなかった.


特段,異常個所はなかったが,ボディのさびや腐れ進行が心配とのこと.エンジンとベルハウジング継ぎ目にオイルにじみがあるのでこれは原因追求が必要.


リヤハブはグリスの漏れがあるため,近日中に交換予定. デフ周りもきれいにしたいなあ.シャシブラックから塗装した繰り返しの後でなにがなんだかわからない状態.点検しやすいように,明るめの色で塗りたい.


J25のトラブル修理
車検が午前中にすみ,J25のマイナートラブル修理のお手伝いのために,基地へ向かう.


・ラジエータ漏れ アッパタンクのホース付け根部.一昨年ハンダ付けして,その後ほどなくして再発したので,入念にほどこしてから持っていて 一冬一夏こしたので大丈夫とおもっていたら漏れてきたらしい.これは愛国殿自ら追加盛りで対処.


・ファンクラッチの・・・ なんていうのだろう ベアリング焼きつき? 破壊? J53ぐらいから採用されているビスカスカップリングをもちいたファンクラッチ.冷態ではファンフリーとなり,温態でファンの送風が効きだす.燃費(暖気促進 ロス低減)と騒音低減が目的であるらしいが,こんな壊れ方するのであれば怖いですね.ベアリングが逝かれ,偏心してロックしたらしい.この状態で脱落などがおきなかったのが幸いである.原因としては取り付けや外部入力は思い当たらないので,品質があやしい.部品点数が増えれば,それだけ信頼性は低下することになる.新品に交換されていた.後で在庫から中古品がでてきて 「 新品注文せんでよかった~ 」と叫び声が聞こえていた.


・マフラー付け根部の破損
これも三菱ジープのなかでは最終でしっかりしたものであるのだがご覧のとおり.経年の肉痩せもあるが,マフラーを3点でつっているのだが 一点をとばしていたため,どうも付け根部にねじり入力が入る状態になっていたことも要因と考えられる.これはストック品と交換して,マフラーを正規の3点で吊る状態にした.